これは FOLIO Advent Calendar 2017 の12/3の投稿でもあります。前日は chocoi さんで「とある新興証券会社でのAWS Direct Connect利用に関して」でした。

今回は社内情報システム案件でも中々情報の少ない、Apple 製品についてフォーカスを当ててみます。 主に macOS 端末を導入した際の記録的な感じで色々書いていければと思います。 macOS 端末は Windows 端末とは異なり、シリーズとスペックくらいしか選定基準が無いですが、 今後導入することになった際に
「実際導入するとなったらこういう流れになるのか」
「実はそんな仕組みもあるのか」
というキッカケになれば幸いです。

また、実際どういったことを考慮に入れて macOS 端末や iOS 端末をキッティング(セットアップ)しているかなどついては、 12/10 12/17に記事を書く予定です。

ちなみにブログをはてブから一新しました。過去記事何も考えず消してしまった。。。

Apple 製品を会社として使用したい

昨今、Apple 製品を会社として使用するということが当たり前になりつつあります。 例えば、iOS のアプリケーション開発、デザイナーやエンジニア用の端末、社内携帯端末などなど。

しかし、社内情報管理者が Windows 端末以外において統合管理の知見を持っていないということも少なくありません。 そのため、
「いやー、Apple 製品わからないです」
「え、どうせ Mac 管理できないんでしょ」
「Windows の管理でいっぱいいっぱいなのにこれ以上面倒を増やさないでくれ」
なんてこともあるかもしれません。 また、導入できたとしても情報少ないが故、ほとんどを管理対象外にして運用でカバーするなどになってしまうこともあります。

端末の購入

なにはともあれ、端末を購入しないと始まらないので、端末購入を行います。

購入先の選択

大きく分けると以下の2つになると思います。

  • 販売会社さん経由
  • Apple さん直販

元々 Apple 製品を取扱っている販売会社さんと繋がりがあったため、まずは聞いてみました。

販社さん「Apple 製品取扱ありますよ!キッティングまでおまかせください!」
「そうなんですね、ちなみに割引とかありますか?」
販社さん「Apple 製品値引き難しいんですよね。すみません。」
「なるほど、Apple さんやはり定価が基本なんですね。キッティングというと設定含めてやってもらえますか?」
販社さん「まぁ、起動確認してユーザー設定するところまではお手伝いさせていただきます。オプションにはなりますが。」

Windows 端末では結構融通効かせていただいていたのですが、やはり Apple 製品は厳しいのかと思いました。 値段変わらないのであれば、専門の方に聞いたほうが色々情報あると思い、Apple さんのビジネス窓口に問い合わせを行いました。 少々営業日かかりましたがビジネスチームの方から電話がかかってきました。

ビジネスチームの方「どういった用途で Apple の製品を使われますか?」
「主にエンジニアのソフトウェアの開発やデザイナー向けの導入を考えています」
ビジネスチームの方「そうなると Mac は最適かと思います」
「ただ、Mac はあまり法人として管理する場合結構面倒そうだったりと情報がなくてよくわからないんですよね」
ビジネスチームの方「実は Mac は組織として管理するためのソリューションはありますよ。また、 ActiveDirectory との統合も可能です。」
「そうなんですね、ちなみに法人向けにボリュームディスカウントとかあったりしますか?」
ビジネスチームの方「ありますよ!」
「把握しました。ただ、まだ管理含め方向性が見えておらずお話伺うことできますか?」
ビジネスチームの方「はい、もしよろしければSE同席のもと、イメージ膨らませていただければと思います。」

と、現状の悩みを伝えてみたら購入前に Apple Store で導入相談させてもらうことになりました。 実際、相談させてもらい様々な知見を伺うことができました。聞いてみて本当によかった。

※あまり当時のことは覚えてないので、会話はうろ覚えの記憶からの再現です。

販売会社さん経由

Windows 端末ですと、値段交渉が可能なことが多いですが、Apple 製品の端末に関してはほとんど割引してくれません。 また、後述しますが、DEP 端末として登録することができないのは相当痛いです。

しかし、キッティングは行ってくれる(ほぼ別途追加費用)ケースが多く、大規模な台数を扱う場合は検討の余地があるかもしれません。

Apple さん直販

Apple さん大規模/小規模に関わらず、法人に対して販売を行っています。 購入前に相談などがある場合、現状の課題を伝えると Apple Store のビジネスチームの方がサポートしてくださいます。 また、後述しますが DEP 端末として登録できるのはすごく良いです。

法人割引、DEP の登録を受ける際に、初回発注または年間累計金額に定めがあります。 値段などは変更になる可能性もあるので、詳しくは Apple のビジネスチームに問い合わせてください。

macOS の製品に限らずですが、販売会社さんは上長の承認などがあるのか、見積もりが来るのに1営業日以上かかったりしますが、Apple さんはとにかく速いです。おおよそ1時間以内には見積もり返って来ます。

Pros と Cons に関して主観的な部分が多く含まれていますが、端末の購入においては以下のように感じています。

ポイント 販売会社さん経由 Apple さん直販
法人割引
キッティング
DEP加入 不可
やり取りにおけるレスポンスの速さ 遅い 速い
最低発注金額

法人割引きもあり、色々サポートもしてくれそうなのと、レスポンスの速さから Apple さん直販で進めていくことにしました。

Apple さんへの売買における法人顧客登録

Apple さんから直接購入した端末を、 先程から出てきている DEP のサービスを受けれるようにするには、顧客登録する必要があります。

こちらは Apple さんに一言申し伝えれば登録の手続きを進めてくださいますので、忘れずに登録しましょう。 登録完了には数営業日かかる場合があります。

登録が完了すると「Apple お客様番号」が発行されるので大切に保管しましょう。

Apple Care for Enterprise への加入

個人の購入でもおなじみの Apple Care ですが、法人で購入した際も加入することができます。 しかも、法人版は個人版よりパワーアップしています。

出張修理サポートをハードウェアの購入日から2年または3年間に変更することができます。翌営業日には必ず来てくれるので、ダウンタイムを限りなく少なくしてくれます。 また、実稼働中のサービスがダウンするなどといった最優先の問題には、週7日、24時間体制で1時間以内にサポートを受けることも可能です。

さらには、モバイルデバイス管理(MDM)とActive Directoryを含む、配備と統合の複雑なシナリオへのサポートも行ってくれます。

端末の購入のまとめ

Apple さん経由での端末発注について一覧の流れを説明しました。

端末の種類にもよりますが、発注受付完了から約3週間前後での納品となります。 発注は計画的に行うことをオススメします。

Apple Deployment Program

ビジネス向けのApple Program。 でも謳われていますが、

「IT部門が、社員のワークスタイルを進化させるという最も重要な仕事に集中できるよう、AppleのプログラムとサービスがiOSデバイスとコンテンツの管理を簡単にします。」

を実現してくれるサービスです。

Apple Deployment Program には大きく

  • Device Enrollment Program
  • Volume Purchase Program

の2種類が存在します。

法人として Apple の製品を最大限に活用するには登録するべきサービスです。

Device Enrollment Program

こちらが先程何度か出てきていた DEP と呼んでいたものです。

iOS 端末の場合、アクティベーションしたらすぐに MDM 機能の設定が可能であるため、社内情報管理者がセットアップ無しでエンドユーザーにデバイスを渡すことも可能となります。

端的に言うと、ようこそ画面の設定の削減と MDM 機能への強制アサインができる君です。 詳しくは Apple 社が出しているガイドをご確認ください。

また、macOS 端末もプロファイルマネージャーJamf Pro などと連携することで、多くの手間が削減されます。

利用条件

DEP を利用する際には DEP に対応した Apple 直営販売店から端末を購入することが必須となります。 Apple 直営販売店とは Apple Store というわけではありません。私が把握している限りでは、

  • Apple 法人窓口
  • Softbank 法人窓口
  • KDDI 法人窓口

です。通信キャリアの窓口の営業さんは DEP 登録できること知らなかったりするので、 契約する前にこちらからプッシュしてみてください。

Volume Purchase Program

教育向けと法人向けがあります。

Volume Purchase Program は App Store で購入できるアプリや本などを、法人で一括して購入してライセンス含め管理できるサービスです。アプリケーションの有償無償に関係なく購入できます。 また、クレジットカード決済の他に、法人には嬉しい請求書発注も可能です。

購入したものは会社に割当られるため、アプリケーションの資産管理もこちらで一元管理可能となります。 また、MDM を利用することで、アプリケーションの管理配布が可能となります。

事前準備

Apple Deployment Program を有効にするには

  • Apple ID
  • D-U-N-S® Number
  • 英語表記の会社名
  • SMSを受け取れる電話番号
    • 2要素認証が必須なため

が必要となります。

Apple Deployment Program における Apple ID の罠

Apple ID は Apple 製品をお持ちの方ならご存知だとは思いますが、Apple のサービスを受けるためには必要になるアカウントです。

Apple ID のページには

1つのApple IDとパスワードで、Appleのサービスすべてにアクセスできます。

と書いてありますが、これは です。

Apple ID は Apple Deployment Program に登録してしまうと、iTunes のサービスを受けることができなくなります。つまり、音楽や App Store が使用できなくなります。

社内情報管理者が所有している会社のメールアドレス A@example.com の Apple ID で iTunes サービスに接続
(iTunes サービスに接続される例: App Store で何かアプリ落とす)
↓
規模も大きくなってきたため A@example.com の Apple ID を使用して Apple Deployment Program に登録しようと思う
↓
無事登録できず終了
社内情報管理者が所有している会社のメールアドレス B@example.com の Apple ID で Apple Deployment Program に登録
↓
社内的に Apple ID を個人で使用できる環境だったので、B@example.com で App Store でアプリダウンロードしようと思う
↓
無事登録できず終了

また、Apple Deployment Program に会社として最初にアクティベーションしたアカウントがオーナー的権限になり、この権限の譲渡ができなくなります。 未検証ですが、サポートに問い合わせればなんとかなる可能性もあるかもしれません。

オーナー権限より権限が低い管理者を複数置くことは可能です。しかしこちらも iTunes サービスに繋いでしまうと使用できなくなるのでお気をつけください。

解決策

社内でメールを受け取れる共有のアカウント(グループやエイリアス)を使用する が現状一番よい解決策であると思われます。

あまり、共有して使いたくはないですが、個人に依存してしまうのも、退職などの際に面倒なことになるので背に腹は変えられないと思います。

D-U-N-S® Number の発行

Data Universal Numbering System は、ダン&ブラッドストリート社が管理している、企業コードの付与管理システム、並びに同システムによって各企業に付与された企業コードの名称です。

iOS や macOS 向けのアプリケーションを配信している方はおなじみ D-U-N-S® Number は企業を一意に特定するため Apple Deployment Program でも必要となります。

発行方法その1

D-U-N-S® Number - Support - Apple Developerにも記載されているように、Apple の画面より申請リクエストを投げることができます。

  1. 上記の URL の内容に記載があるように、Apple の D-U-N-S Number look up tool を使用して英語表記の会社名でリクエストを投げます。
  2. リクエストを投げると、D-U-N-S Number Request/Update Confirmation のようなメールが飛んでくるので先方から連絡が来るまで待ちましょう。
  3. Please provide your business registration and we will send it to our investigations team to verify your information. みたいに言われるので、登記簿謄本など会社情報が記載されている公的書類を添付して送り返しましょう。日本語のものでも大丈夫です。
  4. D-U-N-S Number Request/Update Completed のようなメールが来るので、内容に D-U-N-S® Number が記載されていれば完了です。

発行方法その2

東京商工リサーチ社が D-U-N-S® Number の発行の代行しています。

DUNS Number検索ページ

少し費用は2万円程度ですが、英語でのやり取りが難しい方には便利かと思います。

まとめ

Apple さん直販はいいぞ〜というお話をしました。Apple 社の回し者ではないですが、 とても親切に対応いただけるので是非一度話だけでも聞きに行ってみてください。

また、Apple Deployment Program についてできることと、ハマりどころを少しだけお話しました。 MDM 機能を利用したプロファイルマネージャーJamf Pro などと合わせることでとてつもない効果を発揮します。

まだ Apple 製品導入におけるスタートラインに立っただけです。 どういったことを考慮に入れているかなど、実際のキッティングついては次回をお待ちください。

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